
新築分譲および中古マンションの価格が賃貸マンション市場へ与え得る影響について
※この記事は、特段の断りがない限り、2026年6月時点での情報を基に作成しています。
また、給与所得を得ている個人投資家による「住宅(戸建て、アパート、区分マンションなど)」への不動産投資を前提としています。
「将来のために資産形成を始めたい」
「本業以外にも収入の柱が欲しい」
そう考える人にとって、毎月安定した家賃収入が得られる不動産投資は魅力的な選択肢です。
しかし、いざ検討を始めると「空室リスクが怖い」「多額のローンを抱えて失敗したらどうしよう」といった不安が頭をよぎるのではないでしょうか。
不動産投資には確かに特有のデメリットが存在しますが、それらの多くは仕組みを正しく理解し、事前の対策を講じることでコントロールが可能なのです。
本記事では、不動産投資における主なデメリットとその具体的な解消法、そして会社員だからこそ享受できるメリットについて詳しく解説します。
リスクを回避し、堅実に資産を増やすための知識としてぜひお役立てください。
1)不動産投資のデメリット5つ
2)デメリット軽減策
3)不動産投資のメリット4つ
4)まとめ
給与以外に家賃収入が得られることは、本業以外の収入源としての不動産投資の魅力ですが、次のような観点でデメリットを感じる人もいます。
1つずつご紹介していきます。
賃貸物件の家賃収入は立地に大きく左右されます。
駅から近い、商業施設が近くにあるなど、入居者の好む条件が揃った場所であれば家賃を高く設定できますが、条件が悪い場合には、家賃が低く抑えられてしまいます。
良い立地を選んで投資をすればいいのですが、そうした場所は限られています。
また、運良く見つけても入居者に好まれる立地は時間とともに変化する可能性もあります。利回りが同一の金融商品であれば、投資金額が同じ場合、同じリターンが得られます。
しかし、不動産投資の場合には、同じ金額を投資したとしても、立地によってリターンが大きく変わる可能性があります。
立地の良し悪しで得られるリターンが大きく左右される点は、不動産投資のデメリットと言えます。
※手数料等は考慮していません。(以下同様)
株式投資やFX(外国為替証拠金取引)などの金融商品を利用すれば、一攫千金で大きく儲けることも不可能ではありません。
一方、不動産投資では、一般的に短期間で大きく儲けるのは難しいと言われます。その背景には、受け取る家賃収入と手取りとの差が大きいということもあるでしょう。
そこで、不動産投資の利回りについて見てみましょう。
賃貸経営で得られる家賃収入を額面で考えると、ある程度まとまった収入になります。
この家賃収入を基準に表面的な利回り、すなわち物件取得のために投下した元本に対し、1年間でいくらの家賃収入が得られるかを示す割合が得られます。
しかし、家賃収入からローンの返済額や管理費などを差し引くと利回りは下がってしまいます。
不動産投資では家賃収入の額面で考えた利回りを表面利回り、経費などを差し引いた利回りを実質利回りと呼びます。
計算式は下記のとおりです。
家賃収入の利回り計算式
■表面利回り
表面利回り(%)=年間の家賃収入÷物件の購入価格×100
■実質利回り
表面利回り(%)=(年間の家賃収入-年間の諸経費)÷(物件の購入価格+購入時の諸経費)×100
投資家向けの不動産情報サイトでは一般的に表面利回りが表示されています。表面利回りは高くても、実質利回りを計算してみると低いケースも多くあります。
特にローンを利用して投資する場合には、そのような側面が不動産投資は大して儲からないと言われる所以なのでしょう。
また家賃収入は、満室になってしまえば、多少の賃料引き上げが見込めることはあっても、それ以上に家賃収入を大きく伸ばすことは期待できません。
仮に家賃が10万円の区分所有マンションを10室保有している場合には、10万円×10室=100万円のインカムゲインが上限です。立地が良く人気の物件を保有していたとしても、満室を超えて貸し出すことはできません。
満室以上に稼ぐことはできず、また築年数が古くなったり、管理が悪いと空室になったり、賃料の減額請求を受ける可能性もあります。
さらに、空室となり家賃収入がゼロになった場合も、ローンの返済期間が残存するうちは管理費に加えて返済金も発生するため、実質利回りが悪化することにもなります。
このように、不動産投資によって短期間で大きく儲けることは難しいとされています。
不動産は一般的には、築年数の経過とともに、価値が下がっていきます。家賃収入も新築時が最高で以降は徐々に下がっていくのが一般的です。
建物の老朽化が進むと空室リスクが高まり、その影響で資産価値の低下に拍車がかかると、将来いざ売却しようと思い立った際に、希望する価格では売れなくなってしまい売却益(キャピタルゲイン)が期待どおり得られない、あるいは売却損となる可能性もあります。
ただ、定期的なメンテナンスやバリューアップ工事を行うことによって老朽化を遅らせて、収益をキープ、あるいは向上することは可能です。
日本では賃貸物件の入居者(借主)は借地借家法によって保護されており、貸主からの賃貸借契約の解除については、借主の保護の観点から軽度の賃貸借契約の違反があったからといってすぐに賃貸借契約の解除が認められず、貸主および借主間の信頼関係が破壊されている場合に初めて賃貸借契約の解除が認められることが判例上、確立されています。
また、賃料の値上げに関しても一方的に貸主の都合によって入居者の家賃を引き上げることは困難です。
まして、家賃の引き上げに応じないからといって、一方的に入居者を退去させることはできません。
貸主の都合で退去してもらう場合には、正当事由が必要です。また、正当事由の補完として入居者に、立退料を支払う必要がある場合もあります。
仮に入居者が家賃を滞納した場合であっても、すぐに契約の解除はできず、一般的には3か月分以上の滞納が1つの目安にはなりますが、必ずしもそれだけで「信頼関係の破壊」が認められるとは限りません。
家賃収入を得るためには入居者を募集したり、物件を管理したりするなどの手間がかかります。
管理会社に委託すれば、オーナーとしての手間は省くことができますが、手数料がかかります。
また、家賃収入を得ると、不動産所得として確定申告をする必要があります。
最近はネット上で申告して納税できるようになりましたので、以前よりも簡便化が進んでいるものの、本職の合間に経費などを計算して申告をするのはそれなりに手間がかかります。
一方で株式投資などで利益を得た場合には、証券会社が損益を計算して課税してくれる仕組み(特定口座)もありますので、手間はかかりません。
物件の管理や確定申告手続きに手間がかかる点は、株式投資等に比べると不動産投資のデメリットの1つと言えます。
ここまで不動産投資のデメリットについて見てきましたが、これらのデメリットは工夫次第で軽減することが可能です。
ではその方法を見ていきましょう。
不動産投資の成否を大きく左右するのが立地です。元本はかさみますが、立地が良ければ高い家賃を設定しやすいので家賃収入がデメリットになる可能性が低くなります。
また、立地が良ければ、空室になるリスクも軽減できます。特に最近は日本の経済情勢がデフレからインフレに転換し、家賃相場も上昇しています。
いち早く家賃上昇の恩恵を受けられるのも立地の良い物件です。
築年数が経過しても家賃が下がりにくくなり、以前よりも収益が悪化するリスクが抑えられる環境になっています。
不動産投資をする際には、実績豊富で評判の良い不動産会社や管理会社を選ぶことも大切です。
実績を積むためには多くの投資家に長く支持されていなければなりません。
評判が良いのも同様です。実際に物件を購入した投資家の満足度が高いことを表しています。
実績や評判は不動産会社や管理会社のサイトやネット上の口コミなどで、ある程度判断できます。
ある程度、候補が絞られてきたら、営業担当者などに実際に面談してみるといいでしょう。その企業の社風は社員の言動や雰囲気にも表れてくるものです。
また、担当者との相性の問題もあります。何でも気軽に質問できる担当者で、疑問に的確に答えてくれるようであれば安心です。
区分所有マンションを1室だけ保有している状態では、その部屋が空室になったときには、家賃収入が途絶えてしまいますし、不動産投資家としてのノウハウもなかなか蓄積されません。
家賃収入を再投資して、規模を拡大することで家賃収入が安定しますし、経験を積むことで条件の良い物件を見極める力もつきます。
規模を拡大すると税制上のメリットもあります。
家賃収入は不動産所得として確定申告をします。その場合の申告方法には青色申告と白色申告があります。
青色申告が適用可能な場合、最大65万円の青色申告特別控除が利用できます。その分、不動産所得を圧縮できるので、節税になります。
ただし、青色申告が適用可能となるには、不動産投資が「事業として行われている」と認められる必要があります。その基準は5棟10室と言われています。
国税庁のサイトでは、事業として行われているかどうかの判断基準について以下のように説明しています。
(1) 貸間、アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること。
(2) 独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。
出典:国税庁「タックスアンサー」
以上の3つの工夫を意識することで不動産投資の6つのデメリットを軽減することが可能です。
実際に家賃収入を得ることはデメリットだけではなく、さまざまなメリットもあります。ここからは不動産収入のメリットについて見ていきましょう。
不動産投資は、一般的に長期間にわたり安定的な家賃収入を得られる点が大きなメリットです。株式投資などでは、いつ市場が暴落して損失を被るか分かりません。
また、最近は高配当株などが人気ですが、会社の経営状態が悪くなれば、配当が減り配当利回りは下がってしまう可能性があります。
その点、家賃収入は物件を保有し、一旦仕組みを作ってしまえば、10年、20年と長期的に安定収入が得られます。
もちろん金融危機が起これば不動産の資産価値も一時的に下がることはありますが、家賃収入は大きな影響を受けにくいのもメリットです。
家賃収入を得るためにオーナーが毎日働く必要はありません。
入居者の募集や契約、物件のメンテナンスなどの業務が発生しますが、それらは全て不動産会社や管理会社に委託することができます。
もっとも、外部委託にはコストがかかる点は前述のとおりデメリットな側面と言えますが、自分の手間は省けます。
オーナーは情報収集をして投資をしたり、買い換えの判断をしたりするだけです。
通常は何もしなくても家賃収入が得られる状態になりますから、平日は忙しい会社員でも問題なくチャレンジできます。
もちろん、不動産会社や管理会社に丸投げしてほったらかしにしていると、維持管理が不十分になっていることに気づかないこともあります。
それを回避するために信頼できる不動産会社や管理会社をパートナーに選ぶとともに、定期的に状況をチェックする必要はありますが、慣れてしまえば全てを自分で行うことと比較すると、大きな負担にはなりにくいです。
収入が増えると税金や社会保険料の負担も増加します。
例えば、会社員が本業で頑張って成績を上げて給料がアップしたとしても、それに合わせて適用される所得税の税率や社会保険料の負担も増え、思ったほど手取り収入は上がりません。
最近は副業を認める会社も増えていますが、本業以外に副業で収入を得た場合にも、働き方によっては社会保険料がかかる場合もあります。
その点、会社員が得る家賃収入は一般的に社会保険料の対象とはなりません(所得税および住民税は増えます)。不動産投資は効率良く手取り収入を増やす手段として有効です。
不動産投資の大きな魅力の1つに「レバレッジが利用できる」ことがあります。
レバレッジとは「てこの原理」のことで、投資においては、自己資金だけでは購入できない規模の資産に借入資金を合わせて投資できることを意味します。
不動産投資では、多くの場合、金融機関のローンを活用して物件を購入します。
例えば、自己資金500万円に加えて1,500万円のローンを利用し、2,000万円の物件を購入したとします。この物件から年間120万円の家賃収入が得られる場合、物件価格に対する表面利回りは6%です。
自己資金だけでは500万円規模の投資しかできませんが、ローンを活用することで2,000万円規模の資産を保有でき、その資産から家賃収入を得られる点がレバレッジのメリットです。
なお、家賃収入を自己資金500万円で割ると24%となりますが、これは自己資金の効率性を示す指標であって、物件自体の収益率を示す利回りではありません。実際には、ローンの金利や返済、管理費、修繕費、固定資産税、空室リスクなどを考慮して収益性を判断する必要があります。
レバレッジは、少ない自己資金でより大きな資産への投資機会を得られる一方で、借入を利用することで返済負担や金利上昇リスクも伴います。そのため、メリットとリスクの双方を理解したうえで活用することが大切です。
家賃収入には、空室リスクや経費負担、流動性の低さといったデメリットが確かに存在します。
しかし、本記事で解説したように、これらは「2-1)立地の良い場所にこだわって投資する」や「2-2)実績豊富で評判の良い不動産会社や管理会社を選ぶ」、そして「2-3)家賃収入を活用して規模を拡大する」といった工夫次第で、デメリットを軽減することが可能です。
不動産投資は一攫千金を狙うものではありませんが、給与以外に安定的な収入が得られる点を始めとしたそのメリットに、会社勤めの方々の高い関心が寄せられています。
デメリットを「正しく理解して対策する」ことが成功への近道です。
まずは情報収集から始め、将来の安心を支える不労所得の仕組みづくりにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
本記事は、KDX ST パートナーズ株式会社(以下、「当社」といいます)および当社グループによる、不動産STなどに関する情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘または斡旋を目的としたものではありません。
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