
投資家が注目する理由とは?オフィスビル投資のメリット・デメリットや利回りについて徹底解説
前回記事「東京都における賃貸住宅市場の動向について」で、マンション賃料は東京23区、東京都下ともに上昇が継続し、市況の堅調さがうかがわれる状況にあることを解説しました。今回は住宅市況のうち、分譲マンションおよび中古マンションの価格動向と、それらが賃貸マンション市場へ与え得る影響について見ていきたいと思います。
まず、新築分譲マンション平均価格ですが、首都圏では総じて価格水準の上昇が続いています(図表1)。

出典:株式会社 不動産経済研究所「マンション市場動向」よりKDX ST パートナーズ株式会社作成
都県別に見ると、2026年6月の東京23区は1億3,013万円と、前月5月の1億6,286万円から低下しましたが、2025年の年間平均約1億2,900万円をやや上回る水準となっています。6月は、東京都下は8,171万円、神奈川県は1億379万円、埼玉県は6,866万円、千葉県は7,989万円と2026年に入ってからも高水準で推移しています。
東京カンテイが2025年12月に公表した2024年の「新築マンション年収倍率」によると、新築分譲マンション(70㎡換算)を平均年収で除した年収倍率は全国で10.38倍、東京都で17.00倍、神奈川県で14.04倍、埼玉県で12.51倍、千葉県は10.70倍と、東京都は全国で倍率が最も高く、次いで高いのは神奈川県となっています。分譲マンション価格が上昇する中、都心への居住ニーズがあったとしても、新築分譲マンションの購入を見送る場合、中古マンションの購入や賃貸マンションへの居住が代替的な選択肢となり得ます。
ここで中古マンションの価格動向を確認します。以下は中古マンションの売り希望価格を集計し、70㎡に換算した価格の推移です。東京23区の価格は前年同月比で2023年11月以降、総じて上昇率を拡大し、2025年7月にピークの+39%を記録しました。その後は上昇率が縮小し、直近の2026年6月は+23%となっていますが、価格水準は首都圏各県の市部と比較してもなお2倍以上の水準にあります(図表2)。

出典:株式会社東京カンテイ「市況レポート: 70㎡換算価格推移」よりKDX ST パートナーズ株式会社作成
なお、新築分譲マンション価格は発売物件の平均価格、中古マンション価格は売り希望価格の70㎡換算であり、算出方法が異なるため、単純な価格水準の比較ではなく各市場の動向把握を目的としていますが、新築分譲マンションのみならず、中古マンション価格も上昇傾向にあることが確認できます。
最後に、東京23区における賃貸マンション賃料の推移を見ると、各タイプで賃料の上昇が続いています(図表3)。

出典:アットホーム株式会社「全国主要都市の『賃貸マンション・アパート』募集家賃動向」よりKDX ST パートナーズ株式会社作成
足元の2026年6月の平均募集家賃の水準は、シングルが前年同月比12.4%増の114,242円、カップルが10.8%増の183,568円、ファミリーが6.8%増の259,335円、大型ファミリーが9.2%増の415,766円となっています。
分譲マンションおよび中古マンションの価格上昇によりマンション購入のハードルは高まっており、その一部が賃貸マンション需要へシフトしている可能性が考えられます。
賃貸マンション賃料の今後の動向を考えるうえでは、新築分譲マンションおよび中古マンションの価格動向も賃貸需要に影響を及ぼす可能性があることから、これらの市場動向についても引き続き注視が必要です。
※本記事作成時点:2026年8月7日
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