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今回は東京都心のオフィスマーケットについて、空室率や賃料の動向をもとに足元の需給環境を確認していきます。
三鬼商事によれば、2026年7月の東京ビジネス地区(都心5区)空室率は1.95%と低下傾向にあります(図表1)。

7月の空室率について区別に見ると、千代田区は1.23%、中央区は2.95%、港区は2.18%、新宿区は2.08%、渋谷区は1.11%であり、特に渋谷区で空室率低下が顕著です。また、港区では「麻布台ヒルズ森JPタワー」や「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」といった大規模供給があった2023年に空室率は9.6%まで上昇しましたが、その後は低下傾向に転じており、市況改善が続いています。
足元の供給動向に目を向けると、2026年7月に千代田区内神田で「大手町ゲートビルディング」(延床面積約25,800坪)が竣工しました。日本経済新聞によると、オフィスは満床だったようで、供給増があったにもかかわらず、千代田区の7月の空室率は上昇していません。
2026年中に予定されている大型供給としては、中央区で9月に日本橋一丁目中地区再開発C街区(延床面積約113,000坪・三井不動産と野村不動産の2026年4月プレスを参照)が控えています。中央区での需給環境に変化は生じるのか、今後の空室率の動向が注目されます。
賃料について見ると、2026年7月の東京ビジネス地区における平均賃料は23,287円/坪と前月比30か月連続での上昇となっています(図表2)。

区別では、渋谷区が前月比11か月連続の上昇で、2026年7月は26,224円/坪と都心5区内でも最も高い水準にまで上昇してきており、空室率の低下とあわせて見ると、市況の堅調さがうかがえます。
一方、三幸エステートとニッセイ基礎研究所が共同で公表している「オフィスレント・インデックス」から東京都心部のビルクラス別に賃料の動向を見ると、引き続きAクラスビルでの市況改善が顕著です(図表3)。

※東京都心部:東京都心5区主要オフィス街および周辺区オフィス集積地域(「五反田・大崎」「北品川・東品川」「湯島・本郷・後楽」「目黒区」)
※Aクラスビル:延床面積:10,000坪以上、1フロア面積:300坪以上、築年数:15年以内
今期の2026年第2四半期のAクラス賃料は38,259円/坪と前期比1.7%増、前年同期比25.2%増と、BクラスビルやCクラスビルと比べ賃料上昇の勢いの強さが目立っており、この状況は前期から変わっていません。
空室率については、今期のAクラスは前期比-0.1%ptの0.8%と一段と低下しています。
2000年以降の空室率ボトムである0.6%に迫ってきており、Aクラスのオフィス需要の堅調さがうかがえる状況です。また、今期のBクラスビルは1.4%、Cクラスビルは1.8%と前期から横ばいで推移しており、市況が軟化している様子は見られません(図表4、5)。

※Bクラスビル:1フロア面積200坪以上でAクラスに該当しないビル(築年数経過でAクラスの対象外となったビルを含む)

※Cクラスビル:1フロア面積100坪以上200坪未満のビル(築年数による制限なし)
出典(図表3~5):三幸エステート株式会社、株式会社 ニッセイ基礎研究所「オフィスレント・インデックス」よりKDX ST パートナーズ株式会社作成
公表されたプレスリリース「オフィスレント・インデックス2026年第2四半期」によると、各クラスビルにおいて品薄感は強まっているようであり、ここでも足元のオフィス市況の堅調さを確認することができます。
地方主要都市の空室率動向についても見ると、2026年7月時点では、2026年4月対比で大阪・福岡・札幌において新規供給の影響から空室率が上昇しました。また、三鬼商事によると、仙台では館内縮小などに伴う解約の発生により空室率が上昇しました。一方、名古屋および横浜では空室率が低下しました(図表6)。

横浜の空室率は足元で低下傾向にあり、7月は5.17%と仙台の5.57%を下回る水準にまで下がってきています。
平均賃料は、地方主要都市でも上昇が継続しており、福岡は2026年7月に12,605円/坪と前月比で29か月連続の上昇となっています(図表7)。

出典(図表1、2、6、7):三鬼商事株式会社「オフィスマーケット」よりKDX ST パートナーズ株式会社作成
このように、賃料上昇が継続する動きは地方都市においても観察することができます。
※本記事作成時点:2026年9月4日
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