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事業用不動産投資額が1兆円突破、金融危機後で初

KDX ST パートナーズ株式会社

2026年10月5日

  • #不動産投資
事業用不動産投資額が1兆円突破、金融危機後で初
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企業による不動産売却やJ-REITの物件取得が見られる中、事業用不動産市場では投資額が拡大しています。
本記事では、直近の主要取引やJ-REITの動向をもとに、不動産投資市場の現状を整理します。



投資額拡大の背景にある主な取引

CBREによれば、2026年第2四半期における事業用不動産投資額は前年同期比17%増の約1兆1,210億円と、第2四半期としては2007年の金融危機後初めて1兆円を上回ったようです。


内訳では国内投資家(J-REIT)が前年同期比45%増の約1,010億円、国内投資家(その他)が同11%増の約6,110億円、海外投資家が同20%増の約4,090億円でした。

CBREによると、海外投資家の増加については、PAGとKKRによるサッポロホールディングスの不動産事業取得が寄与したようです。

サッポロホールディングス公表資料によれば、当該取引は総額4,770億円で、51%持分が2026年6月に譲渡されたほか、残りの持分についても2028年6月および2029年6月に譲渡される予定です。不動産事業をオフバランスし、獲得資金を酒類事業の成長に充てる方針です。

また、国内投資家の動きで取引額が目立ったのは、森トラストによる「神谷町トラストタワー(4階、5階)」のエイチ・アイ・エスからの取得で、エイチ・アイ・エスのプレスリリースによると、譲渡価額は325億円でした。

同物件はエイチ・アイ・エスの旧本社ビルで、有利子負債の返済による財務体質の強化や投資資金の確保を目的として実施されたようです。いずれも、今後の事業成長に向けた資金確保を目的とした不動産売却の動きとなっています。

こうした大型案件に対して国内外の投資家が取得主体として参加していることから、事業用不動産に対する投資需要は引き続き底堅いものと考えられます。



J-REITの公募増資と物件取得

J-REITの動きについては、2026年4-6月期において3件461億円(払込日ベース)の公募増資があり、前年同期の1件69億円から増加し、物件取得を通じた外部成長追求の動きが見られています(図表1)。

【図表1】J-REIT 公募増資額
出典:一般社団法人 不動産証券化協会「ARES J-REIT Databook」よりKDX ST パートナーズ株式会社作成

具体的には4月はジャパンリアルエステイト投資法人とグローバル・ワン不動産投資法人、6月は平和不動産リート投資法人による公募増資が実施されました。また足元の7月はコンフォリア・レジデンシャル投資法人、8月はヘルスケア&メディカル投資法人が増資を行っています。

公募増資に伴い、ジャパンリアルエステイト投資法人は東京23区のオフィスビル1件を約155億円、グローバル・ワン不動産投資法人は東京23区のオフィスビル1件を約92億円、平和不動産リート投資法人は東京23区や千葉県所在のオフィスビル等計3件を約134億円、コンフォリア・レジデンシャル投資法人は東京23区や埼玉県所在の住宅計5件を約102億円、ヘルスケア&メディカル投資法人は首都圏をはじめとしたヘルスケア関連施設計14物件を約217億円で取得しました。

J-REITのNAV倍率は足元で1倍を下回り、公募増資のハードルは高い状況が続いていますが、オフィスや住宅市場では賃料上昇が続くなど不動産市況は堅調な中、今後も継続的な物件取得意欲が維持されるのか注目されます。



期待利回りは低位で推移

不動産投資額が拡大している中、各アセットの期待利回り水準を確認すると、低位の状態は続いており、オフィスビルやホテル、物流では一段の低下が見られました(図表2)。

【図表2】NOI利回り(期待利回り)
出典:CBRE「不動産投資に関するアンケート – 期待利回り 2026年6月」よりKDX ST パートナーズ株式会社作成

2026年第2四半期は前期比で賃貸マンション(東京・ワンルーム)、賃貸マンション(東京・ファミリー)、商業施設(東京・銀座中央通り)で横ばいだった一方、オフィスビル(大手町)は0.05%pt低下、ホテル(東京)は0.05%pt低下、物流施設(首都圏湾岸部)は0.01%pt低下しました。


オフィスについては東京の市況が堅調であり、賃料上昇が続いている中で、利回りはアセット間で最低水準の3.10%となっています。
金利上昇局面で、今後の期待利回り水準はどのような推移をたどるのかについても注視していきたいところです。



※本記事作成時点:2026年9月18日



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