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不動産投資の流動性リスクとは?その特徴と対処法を検証

KDX ST パートナーズ株式会社

2026年4月23日

  • 不動産投資
不動産投資の流動性リスクとは?その特徴対処法を検証
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※この記事は、特段の断りがない限り、2025年12月時点での情報を基に作成しています。また「不動産投資」は現物不動産への投資を指しています。


不動産投資を始める際、利回りや賃料収入ばかりに目を向けてしまいがちです。しかし、投資の出口である「売却」を考えたとき、最大の壁となるのが『流動性リスク』です。株式のようにクリック1つですみやかに現金化できない不動産は、いざ資金が必要になった際に売却しようとしても買い手がつかず、大幅な値下げや損失を強いられる可能性があります。

この記事では、不動産投資における流動性リスクの特徴と、株式投資(個別株・REITを含む)との決定的な違いを解説します。
さらに、最新の人口増減データや政府の「コンパクトシティ政策」なども踏まえ、将来的にも買い手がつきやすい「流動性の高い物件」の条件を分析します。

リスクを抑えて堅実な出口戦略を描くための、エリア選定と物件選びの参考となるでしょう。



目次

1)不動産投資の流動性リスクとは
2)株式投資と不動産投資の流動性の違いとは
3)流動性の高い物件の条件とは
4)不動産投資の流動性リスクを低くする方法
5)流動性の低い不動産にもメリットはある
6)まとめ



1)不動産投資の流動性リスクとは

不動産投資で成功するには、どんなリスクがあるかを事前に把握し、対処しておく必要があります。

その1つが流動性リスクです。
流動性リスクとは、保有する金融資産を必要なときに売却できずに損失を被るリスクです。

特に不動産は、売却したいと考えたときに買い手がすぐに見つかるとは限りません。買い手が見つからなければいつまでも売却できませんし、売却を急ぐと相手の要望をある程度、受け入れる必要もあります。その結果、売却価格を引き下げざるを得ないかもしれません。希望する価格で売却できないことは大きなリスクになる可能性があります。

また、不動産を売却する方法には、不動産会社に売買を仲介してもらう方法と、買い取ってもらう方法があります。
仲介は、買い手を探してもらい、売買が成立したら不動産会社に仲介手数料を支払います。
一方で不動産会社に買い取ってもらう場合には、売却価格の見積もりをしてもらい、その価格に納得できれば買い取ってもらいます。

買い取ってもらうほうが早く売却できますが、買い取りをする不動産会社にとっては、リスクが高くなります。転売できるか、賃貸に出すにしても入居者が見つかるかどうか分からないからです。そのため、買い取り価格は低く設定されるのが一般的です。売り手にとっては早めに売却できる半面、売却価格は低くなってしまうのです。

不動産投資ではローンを利用するケースが多くあります。ローンの残高よりも低い価格でしか売却できなければ、収益物件を手放した後に、残ったローンを別の方法で返済せざるを得なくなります。こうした理由から不動産投資は流動性リスクの高い投資と言われています。



2)株式投資と不動産投資の流動性の違いとは

不動産投資の流動性について理解するため、株式投資と比較してみましょう。

株式投資の場合、証券会社を通じて証券取引所に注文を出します。買いたい人と売りたい人の希望価格が一致すると売買が成立します。多くの投資家が参加しているため、売買が成立することはごく一般的です。
A社の株式を100株売りたいと考えた場合、すぐに売却できるので流動性は高いと言えます。ときには悪いニュースによって売りたい人が殺到して、売却しにくい状態になることもありますが、一般的には証券取引所が開いている時間帯であれば売買が可能です。

一方で不動産は通常は1対1の取引になります。証券取引所のような流動性が高いプラットフォームもありませんので、買い手を探すのは簡単ではありません。また、買い手が見つかっても契約書を交わして売買が成立し、実際に売却代金を受け取るまでに数か月を要することも珍しくありません。急に資金が必要になったときに不動産を売却して資金を確保することは困難です。

その点、REIT(上場不動産投資信託)などの不動産ファンドは、投資対象が不動産であっても比較的流動性の高い投資と言えます。REITは株式と同様に証券取引所に上場されていますので、証券取引所が開いている時間帯であれば売買が可能です。



3)流動性の高い物件の条件とは

不動産投資で流動性リスクをゼロにすることはできませんが、物件選びの段階で流動性の高い物件を購入することで、リスクをできるだけ軽減することは可能です。

もっとも大事なことは常に入居者が見込める物件で、入居者に人気の高い物件であれば、空室リスクが低くなり、高い利回りを期待しやすくなります。このような物件に投資した場合、購入費用がかさむ傾向にありますが、その分収益が見込みやすいので、売却する際にも買い手が見つかりやすいと言えます。

では、入居が見込める物件の条件とは何でしょうか。大きな要素の1つは立地です。物件の地域で考えれば、都市部ほど流動性が高く、地方にいくほど流動性は低くなります。特に近年では少子高齢化により人口が減少しており、日本各地で空き家が問題になっています。

ただ、人口が増えている地域もあります。つまり、人口が減っている地域と人口が集中する地域に二極化しているのです。総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(2025年1月1日現在)で都道府県別の人口増減を見ると、2024年中に人口が増加したのは東京都と千葉県のみです。

人口が増加した都道府県(2024年中)参考:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(2025年1月1日現在)」(以下同)

人口増減の理由には自然増減数と社会増減数があります。自然増減数は出生数から死亡数を差し引いた数です。その年に生まれた人よりも亡くなった人のほうが多いと自然増減数はマイナスになります。社会増減数は転入者数から転出者数を差し引いた数です。その地域に転入してきた人の数よりも、転出していった人の数のほうが多ければ社会増減数はマイナスになります。

人口が増加した東京都や千葉県にしても、自然増減数はマイナスですが社会増減数が増加し、自然増減数のマイナスを上回ったために人口が増加しました。
一方で、北海道や兵庫県などは社会増減数はプラスであるものの人口全体で見れば大きく減少しており、新潟県や福島県では自然増減数と社会増減数の両方がマイナスになっています。

人口が減少した都道府県(2024年中)

人口が減少している地域では賃貸住宅の需要も減少している可能性が高いため、不動産投資には注意が必要です。ただ、人口の増減は市区町村単位でも大きく異なるので、もう少し詳しく見ていく必要があります。

人口の増減を市区町村別に見ると、市区で人口が増加している自治体は東京圏が多くなっています。また東京圏以外でも、関西であれば大阪市、九州であれば福岡市など、大都市での人口増加が目立っています。

人口が増加した市区TOP10(2024年中)

一方、町村で人口が増加した地域ではリゾートやインバウンド需要による人口増加(倶知安町、白馬村)や世界的な半導体メーカーTSMCの工場が進出した(大津町)などの特殊要因が見られます。こうした特殊要因も長期で続くと判断できれば、不動産投資にはプラスになるでしょう。

人口が増加した町村TOP10(2024年中)

人口が減る地域と集中する地域の二極化は今後もさらに加速すると考えられます。

人口が集中する地域は利便性が高まりますし、雇用が生まれて仕事を求める人がさらに集まってきます。政府もコンパクトシティ(※)政策を打ち出していますので、中心部ほど人口が集中し、不動産投資においては流動性が高くなると考えられます。反対にそれ以外の地域は流動性が低くなる可能性が高いと考えられます。

例えば、2010年以降、総人口が減少している富山県富山市では、公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりを進めています。鉄道の終電時間の繰り下げや新駅の設置など、公共交通の魅力を高めることで、居住者が沿線へ集まりやすくして、商業や医療などの都市機能を維持しやすくする取り組みです。
公共交通の活性化は、高齢者の外出機会を増やしたりCO2排出を削減したりする効果も期待できます。実際に公共交通の沿線に移住する人が増えれば、人口集中によって商業施設などがさらに増加し、利便性が向上する好循環が生まれることが期待されます。

コンパクトシティ計画の詳細は冊子「富山市都市整備事業の概要」で紹介されており、富山市のサイトで閲覧可能です。こうしたまちづくり計画によって賃貸需要が高まる可能性が高い地域を知ることで、不動産の流動性が高い地域を判断しやすくなります。

※コンパクトシティとは、住まい、商業施設、医療機関、公共施設などの都市機能を小さなエリアに集約させた、公共交通や徒歩で移動しやすい「効率的な都市」のこと。



4)不動産投資の流動性リスクを低くする方法

不動産は流動性リスクの高い投資ですが、対策を講じることでリスクを低減することも可能です。

前述のように重要なポイントは安定的に入居者が確保できるかどうかです。
そのためには、入居者が住みたくなる物件か、利便性が高い立地であるかが大事です。物件を選ぶ際には、自分の目で現地を確認するのが理想でしょう。写真や地域のデータなどで判断できる部分もありますが、実際に目で見ることほど確かなことはありません。内部や外観に加えて、周辺環境なども合わせて確認するといいでしょう。また、区分所有マンションの場合、共有部の状態や管理状況も重要となります。

なお、物件タイプの選び方によっては流動性リスクを高めてしまう可能性があることに注意が必要です。
例えば不動産投資にはアパートやマンションを一棟買いする方法もありますが、まとまった資金が必要になります。それは自分が売却したいときに、買ってくれる人が資金力のある投資家に限られてしまうことにつながり、流動性が低くなってしまうのです。

地方の物件も慎重に検討したほうがいいでしょう。大都市に比べて地方は賃貸需要が低い傾向があります。賃貸住宅を利用する人が少なければ、その分、賃料の設定も低くせざるを得なくなります。また、空室リスクも高いので、売却しづらくなる場合も考えられます。

流動性を重視するのであれば、ワンルームマンションへの投資を検討するのもいいかもしれません。ワンルームマンションであれば、会社員でも比較的投資可能な物件が多く、売却しようと考えた場合に、買い手が見つかりやすい傾向にあります。
また、都市部のワンルームマンションであれば入居者からの人気も高いので、空室リスクも低く、買い手が見つかりやすくなる場合があります。



5)流動性の低い不動産にもメリットはある

不動産投資において、流動性の低い物件は一般的にリスクが高いと判断されますが、考え方によっては流動性が低いことがメリットになることもあります。多くの投資家は流動性の低い物件を敬遠しますが、それにより安い価格で物件を購入できる可能性が高くなるのです。

特に売主が現金化を急いでいる場合、相場よりも安い価格で物件を購入できるかもしれません。
もちろん、物件購入後に入居者が確保できるかどうかも含め、投資効果を、より慎重に検討する必要はありますが、流動性リスクをとり、安く購入することによって高い利回りを目指すという考え方もあるのです。



6)まとめ

不動産は流動性リスクが高い資産ですが、そのリスクは物件選びの段階で大きくコントロールすることが可能です。

今回の記事でご紹介したとおり、人口増加が続く都市部や、売買の動きが活発なワンルームマンションを選ぶことで、将来的な「現金化のしやすさ」を維持することができます。
一方で、流動性が低い物件を選ぶことが必ずしも「デメリット」につながるとは限りません。
人気のない物件は安く購入できるため、あえてリスクを取ることで高い利回りを得る戦略も考えられます。

重要なのは、ご自身が「売却のしやすさ」を重視するのか、「高利回り」を狙うのかを明確にすることです。
人口動態などのマクロな視点と、現地確認などのミクロな視点を組み合わせ、ご自身のスタンスに合った物件を見極めてください。





本記事は、KDX ST パートナーズ株式会社(以下、「当社」といいます)および当社グループによる、不動産STなどに関する情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘または斡旋を目的としたものではありません。
本記事に記載された内容については細心の注意を払っておりますが、掲載された情報の内容の正確性、有用性、完全性、また適切性等について、当社および当社グループは一切保証するものではありません。また本記事において使用するデータおよび表現等の欠落・誤謬等について、当社および当社グループは一切責任を負いかねますので、ご了承ください。
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