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大阪市の賃貸マンション市場の動向について-賃料上昇は継続-

KDX ST パートナーズ株式会社

2026年6月1日

  • 不動産投資
大阪市の賃貸マンション市場の動向について-賃料上昇は継続-
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今回は大阪市の賃貸マンション市場の動向について取り上げたいと思います。

東京23区でも賃料上昇が続いていますが、大阪市の足元の動きについて、人口動態や供給動向と併せて見ていきます。



需要面:前年ほどの勢いではないものの人口流入は継続

まず需要面として、住民基本台帳を基に大阪市の人口の転入超過数(転入者数-転出者数)を確認します。

国内の人口移動について年間ベースでの推移をみると、コロナ禍の2021年に8,000人程度まで縮小した後は社会経済活動再開に伴って人口流入が回復し、2024年は16,000人程度まで拡大しましたが、2025年は流入ペースが一服し、9,800人程度となりました(図表1)。

【図表1】 国内からの転入超過数・大阪市

2026年に入ってからは足元の1~3月累計で6,775人となり、前年1~3月累計の7,046人からはやや低めの水準となっていますが、転入者数が転出者数を上回る状態は続いています。

上記は国内での人口移動を対象としたものですが、総務省からは2020年より国外からの転入者数、国外への転出者数も公表されており、国外との移動も合わせた転入超過数の推移を見ると、大阪市においては国内移動者が転入超過数に寄与しており、国外との移動は転出超過となっていることが分かります(図表2)。

【図表2】 国内+国外からの転入超過数_大阪市

東京23区では国内移動者に加え、国外からの移動者も転入超過に寄与していることと比べると、大阪市における人口流入は国内移動要因によって支えられていると考えられます(図表3)。

【図表3】国内+国外からの転入超過数_東京23区
出典(図表1~3):総務省「住人基本台帳人口移動報告」よりKDX ST パートナーズ株式会社作成



供給面:建築コスト高などを背景に供給は抑制的に推移

次に供給面について見ていきます。

国土交通省の「住宅着工統計」から貸家の住宅着工戸数について大阪市の動向を確認すると、単月ベースでは2025年3月に一時的に高水準となった後、4月以降はそれまでのピーク水準からは低い状態で推移しています(図表4)。

【図表4】 貸家住宅着工戸数_大阪市.
出典:国土交通省「住宅着工統計」よりKDX ST パートナーズ株式会社作成

こうした動きをならした年間移動平均で見ると、2025年4月以降は緩やかな低下傾向が続いています。

この背景として2025年3月の高水準は、同年4月に施行された建築基準法改正を前に、着工時期が一部前倒しされたことが影響した可能性も考えられます。その後は単月ベースでは低下した後、2026年3月にかけて持ち直す月もみられますが、年間移動平均では増加トレンドとはなっていません。

このような制度面の要因に加え、建築コストの高止まりも供給動向に影響を及ぼしている可能性があります。

建設物価調査会が公表する建築費指数における大阪市の都市別指数を見ると、集合住宅の建築コストは上昇し続けており、2015年初から足元の2026年4月までは約48%上昇しています(図表5)。

【図表5】建築費指数(2015年基準)_大阪市

こうした建築コスト高も供給抑制に影響し得ると考えられ、また前年同月比の推移を見ても、2025年7月は+3.6%にまで鈍化していましたが、その後は再び拡大し、2026年4月は+6.3%となっています(図表6)。

【図表6】建築費指数(前年同月比)大阪市
出典(図表5、6):⼀般財団法⼈ 建設物価調査会「建設物価 建築費指数」よりKDX ST パートナーズ株式会社作成

建築コスト高が継続する中、今後の供給トレンドについては引き続き要注視です。



賃料動向:募集賃料は全タイプで過去最高水準を更新

このような需給動向のうえで、大阪市の賃料動向がどのようになっているのか見ていきます。

アットホームが公表する大阪市の平均募集家賃を見ると、30㎡以下(シングル)、30~50㎡(カップル)、50~70㎡(ファミリー)の上昇が続いており、各タイプとも過去最高水準となっています(図表7)。

【図表7】賃貸マンションの募集賃料指数(大阪市)

前年同月比で見ても、足元の2026年3月はシングルが+9.0%、カップルが+8.3%、ファミリーが+13.5%と、特にファミリーは2桁台の伸び率となっています(図表8)。

【図表8】賃貸マンションの募集賃料指数_前年同月比(大阪市)
出典(図表7、8):アットホーム株式会社「全国主要都市の『賃貸マンション・アパート』募集家賃動向」よりKDX ST パートナーズ株式会社作成

大型ファミリーは2025年6月から2026年2月までは前年割れが続いていましたが、2026年3月は+3.5%の274,645円と過去最高の水準にあります。

足元では堅調な大阪市の賃貸住宅市況ですが、人口動態や供給動向を観測しながら賃料動向に変化が生じないか引き続きウォッチしていく必要があります。



※本記事作成時点:2026年5月15日



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