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日本で金利が引き上げられる中、不動産投資への影響は?

KDX ST パートナーズ株式会社

2025年2月12日

  • 資産運用
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日本で金利が引き上げられる中、不動産投資への影響は?
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日本銀行は2025年1月23-24日の金融政策決定会合で政策金利を0.25%引き上げる決定を行い、2024年7月以来の利上げが実施されました。

現状の金融市場における見通しでは2025年内にもう1回以上の利上げを想定する見方が大半で、緩やかながらも日本で金利上昇の動きが出てきています。

それでは、この金利上昇が不動産に与える影響はどのようなものでしょうか。今回は、不動産投資の観点で、幅広い投資家から集めた資金を不動産へ投資し、そこから得た賃料収入を投資家へ分配する金融商品であるJ-REIT(Real Estate Investment Trust 不動産投資信託)への影響をみていきます。

J-REITはオフィス、住宅、商業施設、ホテル、物流など様々な不動産へ投資をしていきますが、各アセットからしっかりと賃料収入を得ることが運営上、重要なポイントの1つとなります。損益計算書では賃料収入は営業収益における賃貸事業収入になりますが、ここから費用などを差し引いた最終的な当期純利益をもとに投資家への分配を行う仕組みとなっています。

こうしたJ-REITの運営において国内金利上昇が及ぼすのは、損益計算書上での営業外費用における支払利息の項目になります。日本銀行が政策金利を引き上げ、日本円TIBOR(詳細解説は2024年日本銀行利上げ以降の国内金利の動向 をご覧ください)をはじめとした借入の際の基準金利が連動して上昇すれば、損益計算書での支払利息の負担が今後徐々に重くなっていく展開が想定されます。

その想定を前提とすると、当期純利益の減少につながるため、投資家への分配金が減少するというリスクになり得る、と言えます。最近のJ-REITマーケットは軟調で、東証REIT指数は総じて低下傾向にありますが(図表1)、金利負担増による分配金減少のリスクが投資家に懸念されている面もあると推察されます。


東証REIT指数
出典:日本取引所グループよりKDX ST パートナーズ株式会社作成


それでは金利上昇で支払利息が徐々に増加していくことが想定される中、投資家への分配を目減りさせないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。

重要なポイントとして、投資物件の賃料を引き上げていくことが考えられます。賃料引き上げにより賃貸事業収入の増加が支払利息の増加を上回れば、分配金を維持もしくは増加させていくことができるからです。

物件を賃借する入居テナントに対する賃料増額交渉は簡単なものではありませんが、インフレ率上昇の局面で生活用品などあらゆる商品の物価も上昇してきている中、不動産の賃料を上げていくことができるかどうか、不動産の運用で問われている状況にあると思われます。

※本記事作成時点:2025年1月27日

本記事は、KDX ST パートナーズ株式会社(以下、「当社」といいます)および当社グループによる、不動産STなどに関する情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘または斡旋を目的としたものではありません。
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