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※この記事は、特段の断りがない限り、2025年6月時点での情報を基に作成しています。
「オルタナティブ投資という言葉は
聞いたことがあるけど、よく分からない…」
「オルタナティブ投資って、
とりあえず新しい投資のことだよね?」
投資について本格的に勉強をし始めたところ、「オルタナティブ投資」という新しい言葉の登場で、なんだか気になっている方もいるのではないでしょうか。
言葉だけみると、新しい投資商品のような気がしてしまいますが、実際のところは株式と債券以外の投資手法・商品をまとめて指す言葉です。
オルタナティブ投資とは |
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オルタナティブ投資とは、国内外株式・債券など伝統的投資以外の投資手法や投資商品の総称を指します。伝統的投資とは異なる値動きをすることで知られており、株式や債券などに投資している投資家の方の分散投対象または手法として注目されています。 |
オルタナティブ投資は株式や債券などとは、値動き・リスク・リターンなどが異なります。そのため、株式や債券などと組み合わせることで分散投資につながります。
具体的なオルタナティブ投資のメリット・デメリットは以下のとおりです。
さまざまな投資商品が含まれているオルタナティブ投資だからこそ、投資家の方それぞれに適している組み合わせや商品は変わってきます。
現在投資している商品との組み合わせ次第では、さらなる利益を期待することもできます。反対に、リスクを抑え、安定したポートフォリオを組むことも期待できるでしょう。
ただし、しっかりと調べずに投資商品を選んでしまうと、大きな損失になってしまう可能性もあるので注意が必要です。
そこでこの記事では、オルタナティブ投資に関する基礎知識を分かりやすく解説していきます。
1.オルタナティブ投資とは
2.オルタナティブ投資の種類
3.オルタナティブ投資のメリット4つ
4.オルタナティブ投資のデメリット4つ
5.リスク分散に向けたオルタナティブ投資のすすめ
6.オルタナティブ投資を始めるときに考えておくべきポイント
7.まとめ
オルタナティブ投資で失敗・後悔しないためにも、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
オルタナティブ投資とは、伝統的投資と呼ばれる上場株式や債券以外の、投資対象や投資手法をまとめた総称です。
オルタナティブ(alternative:代わりの)という言葉のとおり、伝統的投資の代わりとなるさまざまな商品や未公開株式が投資対象として挙げられます。
名称から想像すると、まるで新しい投資商品のようなものをイメージしてしまいますが、実際のところは多くの方がご存知の「現物不動産投資」や「金投資」などもオルタナティブ投資に含まれているのです。
オルタナティブ投資の特徴は、株式や債券などとは相関性が低いため、異なる値動きをする点です。
「3-1. 株式や債券とは値動きが異なるのでリスク分散できる」で後ほど解説しますが、昔からある株式や債券などの投資商品とオルタナティブ投資を組み合わせることで、それぞれが異なる値動きをするため、リスク分散につながります。
投資において、利益や元本が100%保証されている投資商品は存在しないという点は周知の事実です。
どの投資先・投資商品を選んだとしても、少なからずリスクは発生するからこそ、リスクや値動きが異なる投資対象や投資手法を組み合わせていく必要があります。
その分散投資の選択肢として注目されているのが、オルタナティブ投資なのです。
一言でオルタナティブ投資と言っても、その種類は多岐に渡ります。
2025年6月現在、主なオルタナティブ投資として挙げられるのは、以下のとおりです。
上記の表をみても分かるように、昔からある金投資や不動産投資だけではなく、1つの投資先に対して小口投資できる投資商品や新しい技術を採用した暗号資産など、その種類は多岐に渡るのです。
もちろん、どのオルタナティブ投資を選ぶかにより、以下の要素が変わってきます。
投資商品の種類が多いからこそ、分散投資でリスク回避するためにも、最適な組み合わせで投資対象を選べるようにしておきましょう。
オルタナティブ投資を投資先に選ぶメリットは、主に以下の4つです。
オルタナティブ投資のメリット4つ
オルタナティブ投資のメリットを理解できると、なぜ株式や債券だけではなくオルタナティブ投資で分散投資すべきなのかが分かってくるでしょう。
早速、4つのメリットについて解説していきます。
オルタナティブ投資として紹介される多くの投資商品が、株式や債券とは異なる値動きをするため、投資するうえでのリスク分散になるのです。
値動きが異なる投資商品を組み合わせることで、たとえ1つの株式銘柄で損失が出たとしても大きな損失を回避できる可能性があります。
例えば下記のように、たくさんの卵を持ち運ぶ際に、
この両方で、卵が割れてしまうリスクについて考えてみましょう。
画像素材:Adobe
1つのカゴに卵をまとめてしまうと、カゴに何かがぶつかったときに、連動して全ての卵が割れてしまうかもしれません。
しかし、複数のカゴに卵を入れておけば、たとえ1つのカゴの卵が割れてしまっても、他の卵は割れずに済む可能性が高いのです。
最終的に、手元に残る卵の数を考えると、複数のカゴに分散させておいた方がリスク回避につながることが分かります。
これが、投資における分散投資の重要性なのです。
株式や債券による影響が低いオルタナティブ投資は、株式や債券だけに投資している投資家の方にとって、分散投資の選択肢の1つになってくれるでしょう。
投資商品の種類が多いので、投資家のニーズに沿った商品が見つかる蓋然性が高いこともメリットとして挙げられるでしょう。
オルタナティブ投資は、主に8種類あることを先ほどお伝えしました。
さらに、小口投資できる商品や高いリターンが期待できる商品など、オルタナティブ投資は種類ごとにもさまざまな投資商品が存在します。
例えば「不動産投資」の場合は、不動産に関連して下記のように5種類の投資商品があります。
※投資家のニーズはイメージです。各投資商品によりリスクやリターンなどは異なります。
上記の不動産投資の例のように、投資商品によって満たせるニーズが異なります。
リスク分散/リスク許容度/資産分散/値動き連動の有無など、投資商品に求めるポイントは、投資家によってそれぞれ違いますよね。
多種多様なニーズにも応えやすいのが、投資商品数が圧倒的に多いオルタナティブ投資のメリットです。
オルタナティブ投資の中には、長期保有や売買タイミングを見極めることで、高いリターンを得られる可能性を秘めている投資商品も数多くあります。
代表的なものでいうと、暗号資産(仮想通貨)などは短期間で値動きの激しいマーケットで取引されているので、リスクは高い一方、売却タイミングを見極められれば、大幅なリターンが期待できるでしょう。
また、コモディティ投資のように、インフレになると資産価値が高くなる傾向がある投資商品も存在しています。
株式や債券などよりも、さらにハイリスク・ハイリターンを求める場合は、オルタナティブ投資の中でも流動性の高い投資商品を選ぶことで、状況によっては高いリターンを実現できるでしょう。
オルタナティブ投資のうち、インフレ進行によるマイナス影響を受けづらく、資産価値が下がりづらいものを選ぶと、元本の価値の目減り防止が期待できます。
インフレ進行は、一般的に「消費者物価指数の上昇」を伴います。インフレが進行すると、貨幣の実質的な価値が下がるため、現金や預貯金を活用した元本の価値が目減りします。
そのため、消費者物価指数とプラスの相関性が高いオルタナティブ投資を選択することで、インフレ率上昇ともなってオルタナティブ投資の資産価格も上昇する傾向にあるため、結果的に元本の価値の目減りを抑えやすくなると言われています。
オルタナティブ投資のデメリットとして挙げられるのは、主に以下の4つです。
オルタナティブ投資のデメリット4つ
すでに株式や債券などに投資している方にとっては、株式などの市場と相関性が比較的低いオルタナティブ投資は分散投資として魅力的に映るかもしれません。
しかし、オルタナティブ投資だからこそ想定されるデメリットを把握することを忘れてはいけません。
ここでは、代表的なデメリットの4つを解説していきます。
オルタナティブ投資は投資商品の種類も多く、種類によっては購入から売却までのフローが複雑で混乱してしまう投資家もいます。
オルタナティブ投資でよくあるフローは、下記のようにさまざまです。
主なオルタナティブ投資のフロー
また、売却時の流れも投資商品や取引方法によって変わるため、知識がない状態では分かりづらいのが実情です。
複雑な仕組みを理解しないままにオルタナティブ投資に参入してしまうと、後に大きな損失につながってしまう可能性も考えられるのです。
オルタナティブ投資の中には、流動性が低く自由に売買できない投資商品も多く存在しています。そのため、売買チャンスが少なく換金しづらい点もデメリットです。
株式や債券に投資している場合は、「即日換金」や「◯営業日で換金」というように、比較的速やかに換金できる場合が一般的です。
しかし、オルタナティブ投資には流動性が低い投資商品も多いため、短期運用で利益を出したい場合には向いていない場合がほとんどです。
例えば不動産投資やプライベート・エクイティ(未公開株式)などは、流動性が低い投資商品として挙げられます。
不動産の場合は、売却活動を開始してから売買契約が成立するまでには一定の時間を要します。
プライベート・エクイティの場合は、非上場企業の株式なので、将来的に上場しない限りは保有している株式の売買機会はほとんどないでしょう。
このように、流動性が低いオルタナティブ投資は、株式や債券などと比較すると換金しづらい点がデメリットです。
種類が多いオルタナティブ投資は、それぞれの投資商品によって、利益発生までの仕組みやリスクが複雑で理解するまでに時間がかかってしまうという一面があります。
そもそも、オルタナティブ投資は証券取引所で売買されていない投資商品が多く含まれているため、仕組みやリスクも種類によって違ってくるのです。
その結果、「オルタナティブ投資に挑戦したいけど、わけが分からず躊躇してしまう」という方も少なくないのではないでしょうか。
投資商品の種類ごとの違いについて理解していない状態でオルタナティブ投資に手を出してしまうと、損失につながってしまうかもしれません。
自身に適した投資先を選ぶためにも、しっかりと理解したいというのが本音だと思います。
複雑なオルタナティブ投資については「オルタナティブ投資のデメリット4つと向き不向きを解説」でも、分かりやすく解説しているので参考にしてみてください。
オルタナティブ投資の中には、ヘッジファンドや現物不動産投資などのように、初期コストに多額の資金が必要になる投資商品もあるため注意しなければいけません。
「少額で投資できると聞いたから…」というように何も調べずに投資先を選んでしまうと、予想外の初期コストに驚いてしまうことになるでしょう。
たとえば、ヘッジファンドになると500万〜1,000万円以上の初期コストを覚悟しなければいけません。
現物不動産投資の場合は、物件の価格によっては数億円の自己資金が必要になるでしょう。
もちろん、オルタナティブ投資の中には少額からできる小口投資商品もあるので、適切な投資商品を選ぶことが重要になってきます。
ここまで読み進めてきたことで「オルタナティブ投資の魅力は分かったけれど、始めるべきか悩んでしまう」感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
現在あなたが、投資先を株式や債券だけに集中させている状態であれば、オルタナティブ投資の中から最適な投資商品を取り入れることで、効果的なリスク分散を期待できるでしょう。
株式や債券のように、それぞれに相関性がある投資商品だけでは、1つの投資商品が損失を出すと連動して他の投資商品にも損失が出てしまう可能性が高いからです。
「3-1. 株式や債券とは値動きが異なるのでリスク分散できる」でもお伝えした卵の例のように、すべての投資で失敗しないためにも、異なる値動きをするオルタナティブ投資を取り入れましょう。
オルタナティブ投資を分散投資として利用する場合に意識したいのが、持っているすべての投資商品のリスクとリターンの関係性です。
例えば、ハイリスク・ハイリターンである投資商品ばかり持っている場合は、ある日一瞬にして全部の投資先で大損失を出してしまうかもしれません。
反対に、ローリスク・ローリターンの投資商品ばかり持っている場合は、どんなに長期間投資をしていても大きな利益は期待できない可能性もあるのです。
この問題をクリアにするためにも、さまざまな特徴を持つオルタナティブ投資と株式・債券などの投資を組み合わせて、分散投資することが必要になるでしょう。
例えば、リスクとリターンのスタンスが違う投資商品を組み合わせると、下記のグラフのように総合的にみて安定したリスク・リターンを実現しやすくなるでしょう。
株式や債券だけに投資している方は、以下のように感じているのではないでしょうか。
今よりも本格的に投資と向き合いたいと考え始めたときこそ、分散投資としてのオルタナティブ投資を検討してみるタイミングです。
オルタナティブ投資に興味が湧いてきた一方、どの投資商品を選ぶべきか決められないという方は多いのではないでしょうか。
どのオルタナティブ投資を選ぶべきか決める際には、下記のポイントを考えましょう。
オルタナティブ投資を始めるときに考えるべきポイント
それぞれについて、具体的に解説していきます。
本格的にオルタナティブ投資の投資先を決める前に、投資の目的や目標額、そして投資金額を決めましょう。
なぜなら、無計画で投資先を決めてしまうと、後に大きな損失につながるケースもあり得るからです。
「専門誌でオルタナティブ投資が注目だと
言っていたから、とりあえず始めよう」
「金投資だと稼げると聞いたので、
余裕資金を全部つぎこもう」
などのように軽く考えてしまうと、利益を得られるどころかマイナスになってしまう可能性もあるのです。
まずは、下記の3つをしっかりと決めておくことが大切です。
上記のように、求めるゴールを明確にしたうえで、具体的な投資計画を立てることをアセットアロケーションと呼びます。
投資先を決める前に、アセットアロケーションを決めたうえで、ポートフォリオを作っておくと、より効果的な投資運用ができるでしょう。
アセットアロケーションや、ポートフォリオについては下記の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。
資産運用の鍵はアセットアロケーション。ポートフォリオとの違いは?
ポートフォリオ設計ができたら、次はオルタナティブ投資でどの組み合わせがあなたにとって最適なのかを考えてみてください。
さまざまな投資商品があるオルタナティブ投資を採用する場合は、下記のような戦略で組み合わせを考えることも一案です。
※上記の参考例は、あくまでも組み合わせのイメージです。
すでに株式や債券などの投資を始めている場合は、その投資とのバランスを考えながら「どの戦略を選ぶべきか」を考えてみましょう。
オルタナティブ投資における組み合わせのイメージができた段階で、具体的にどの投資手法・商品を選ぶべきか絞り込んでいきます。
オルタナティブ投資は運用先もさまざまなので、「少しでも信頼できる運用先を選びたい」と考えてしまいますよね。
まずは金融機関など、信用できる機関が取り扱っている投資商品を検討してみるのがおすすめです。
場合によっては、現在利用している証券会社を介して不動産ST(セキュリティ・トークン)/REIT/コモディティ関連の投資信託/外貨取引などの、オルタナティブ投資に挑戦できる可能性もあります。
また、貴金属や収集品などを、信頼できる販売所から購入しておくのも1つの方法です。
投資商品の種類が多いオルタナティブ投資は、最終的に投資先を確定する前に、下記のような情報をしっかりと下調べをしておきましょう。
上記の情報を調べずに、聞いたこともない運用先から投資商品を選んでしまうと、予想外のトラブルに巻き込まれてしまうかもしれません。
とくに暗号資産やNFTなど登場して日が浅い投資商品ほど、過去の取引実績だけでなく発行体の信用度などもしっかりと調べたうえで、自身で判断できるようにしておきましょう。
魅力的なリターンにつられてしまい、投資前には想定していなかった高すぎるリスクを背負う羽目になってしまう可能性も否定できません。
オルタナティブ投資の投資先を決めるときは、しっかりと下調べをして納得したうえで、選べるようにしていきましょう。
この記事では、近年投資家の間で注目を集めているオルタナティブ投資について解説してきました。
オルタナティブ投資は、株式や債券の市場相場との相関性が低いので、投資リスクを分散するうえで選択肢の1つとなります。
これから本格的に投資に力を入れていくのであれば、同じリスク・リターンの投資商品だけに力を入れてしまうと、同じタイミング大きな損失を被ってしまうかもしれません。
少しでもあなた自身の投資・資産のリスク分散をするためにも、自身に最適なオルタナティブ投資を取り入れられるようにしていきましょう。
本記事は、KDX ST パートナーズ株式会社(以下、「当社」といいます)および当社グループによる、不動産STなどに関する情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘または斡旋を目的としたものではありません。
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