
ポートフォリオに不動産を組み込むメリットとは?割合目安、選び方も解説
今回は最近のオフィス市場の動向について、地方都市の状況も含め見ていきます。
2025年12月15日の記事「足元のオフィスマーケットの動向について」ではオフィスマーケットの基本的な見方をお伝えしつつ、主に東京都心5区での概況を解説しました。今回は直近の東京都心の動向も踏まえつつ、地方都市におけるマーケット動向も見ていきます。
まず、足元の東京都心5区の状況についてです。
市況は良好とみられ、空室率低下、賃料上昇の流れが継続しています。
都心5区の平均賃料は2025年12月に21,409円/坪と23か月連続での上昇となっています。区別で見ると港区での空室率低下の勢いが目立ちます(図表1)。

港区では2025年2月に「虎ノ門アルセアタワー」(延床面積約54,000坪)、「BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S」(延床面積約80,000坪)、3月に「THE LINKPILLAR1 North/South」の2棟(延床面積計約139,000坪)、10月に「赤坂トラストタワー」(延床面積約63,000坪)などが大型物件として供給されましたが、空室率は2025年12月に2.54%まで低下し、需要の堅調さがうかがえます。
また、渋谷区も空室率低下が進んでおり、2025年12月は1.82%と2019年9月以来の低水準となり、コロナ禍前の水準へと市況は改善しています。両区ともに足元では賃料上昇も続き、特に渋谷区の2025年12月は24,527円/坪と都心5区で最も高い状況となっています(図表2)。

2026年に予定されている新規供給で面積規模が大きいものは「TOFROM YAESU TOWER」(延床面積約68,000坪)や「日本橋1丁目中地区再開発」(オフィスのあるC街区の延床面積約111,000坪)などですが、引き続きテナント需要を取り込んでいくことができるのか、今後のリーシング動向に注目していきたいところです。
次に、地方都市の動向について見ていきましょう。
空室率を見ると各地方都市ともに都心5区のような低下傾向とはなっていませんが、明確に上昇が続き市況が悪化しているという状況でもありません(図表3)。

横浜では2024年4月に近年でのピークである9.24%まで上昇した後は総じて低下トレンドでしたが、2025年12月は前月比+1.23%ptの7.01%と上昇しました。
三鬼商事によりますと大規模複合ビル「BASEGATE横浜関内」(延床面積約38,000坪)竣工の影響が大きいようで、関内地区の空室率が前月比+5.46%ptの9.01%へと上昇したことが全体へ影響した模様です。ただ、2025年12月空室率について新横浜地区は前月比-0.12%ptの6.74%、みなとみらい21地区は前月比-0.22%ptの8.27%とやや低下しています。
一方、福岡の空室率は、2025年12月は4.95%と相対的に低いと言える水準ではありませんが、近年は2023年に「福岡大名ガーデンシティ」(延床面積約27,000坪)、2024年に「ONE FUKUOKA BLDG.」(延床面積約44,000坪)など大型供給があった中でも空室率の一方的な上昇には至っていないことを鑑みると、需要の底堅さが推察されます。
福岡における今後の供給については、天神の商業施設「イムズ」跡地に複合ビルが2026年中に完成計画とされていましたが、日本経済新聞によると、解体工事遅延の影響で2027年完成に延期されたと発表されました。
いったん延期になったとはいえ、本物件に加え「(仮称)天神ビジネスセンタービル2期計画」など今後も新規供給が控えており、供給に見合った需要を引き続き獲得することができるのか需給バランスを見ていくうえで注視していきたい点です。
地方都市における平均賃料は、各都市で総じて上昇傾向にあります(図表4)。

出典(図表1~4):三鬼商事株式会社「オフィスマーケット」よりKDX ST パートナーズ株式会社作成
仙台市の上昇ペースは緩慢ではありますが、横浜や名古屋の上昇ペースは比較的強めであるとみられ、2025年12月に横浜は13,199円/坪と地方都市間では最も高水準で、次いで名古屋が12,872円/坪と高く、市況の改善がうかがわれる状況となっています。
※本記事作成時点:2026年1月16日
本記事は、KDX ST パートナーズ株式会社(以下、「当社」といいます)および当社グループによる、不動産STなどに関する情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘または斡旋を目的としたものではありません。
本記事に記載された内容については細心の注意を払っておりますが、掲載された情報の内容の正確性、有用性、完全性、また適切性等について、当社および当社グループは一切保証するものではありません。また本記事において使用するデータおよび表現等の欠落・誤謬等について、当社および当社グループは一切責任を負いかねますので、ご了承ください。
また、本記事に記載された内容は、本記事の作成時点のものであり、事前の通知なくして変更されることがあります。
本記事の中の記述は、作成時点で入手が可能な情報を基に想定される合理的な判断に基づくものと考えておりますが、さまざまなリスクや不確定な要素が含まれている点にご留意ください。
本記事の著作権その他の権利は、特段の断りがない限り、当社に帰属しています。