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不動産ST|オルタナティブ投資での不動産投資は4種類|特徴を解説

KDX ST パートナーズ株式会社

2025年6月20日

  • 不動産ST
  • 不動産投資
オルタナティブ投資での不動産投資  は4種類|特徴を解説
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※この記事は、特段の断りが無い限り、2025年4月時点での情報を基に作成しています。


「オルタナティブ投資のなかでも、
    安定した配当が期待できる不動産投資に興味がある」
「不動産投資って現物への投資しかないのかな…
    他に種類はあるの?」

「オルタナティブ投資」とは、伝統的な投資(株式や債券など)以外の投資手法や金融商品をまとめた総称です。
その中でも、オルタナティブ(代替)投資としての不動産投資は主に以下4つに分けられるでしょう。

4つの不動産投資

※その他のオルタナティブ投資については、別途解説予定ですので、楽しみにお待ちください。


ただし、どの投資手法を選ぶのかによって、利回り(リターン)やリスクも変わるので気をつけなければいけません。


じっくりとアセットアロケーションを検討して、ポートフォリオの一部として不動産投資を取り入れたのに、

  • 不動産STや不動産クラウドファンディングを選んだものの、好きなタイミングで換金できない
  • REITを選んだものの、日々の価格変動が不安
  • 現物不動産に投資したが、想定外の費用が発生して借入返済が難しくなってきた

と後悔してしまうかもしれません。


そこで本記事では、オルタナティブ投資としての不動産投資を最大限活用するために必要な、基本的な知識を紹介していきます。



目次

  1. オルタナティブ投資の「不動産」は、比較的リスクが少ない
  2. オルタナティブ投資の中の不動産投資4種
  3. 不動産投資1|不動産セキュリティ・トークン(不動産ST)
  4. 不動産投資2|不動産クラウドファンディング
  5. 不動産投資3|REIT(不動産投資信託)
  6. 不動産投資4|現物不動産投資
  7. オルタナティブ投資で不動産投資を選ぶポイント4選
  8. まとめ

ぜひこの記事を参考に、分散投資の選択肢の1つとして、不動産投資が適しているのかを判断してみてください。



1.オルタナティブ投資の「不動産」は、比較的リスクが少ない

「株式よりもリスクを抑えたいけど、債券よりも高いリターンを得たい」と考えて、オルタナティブ投資に着目する方は少なくありません。

そこで選択肢の1つとなるのが、比較的リスクが少なく安定した収入(配当・分配金)が期待できる不動産投資なのです。

オルタナティブ投資における不動産投資の特徴をご紹介します。

オルタナティブ投資における不動産投資の特徴

  • 不動産の流動性は株式などより低く、急激な価格変動が起こりづらい
  • テナントの賃料により安定的な収入が期待できる
  • 商品によっては運用や管理などを専門家に委託できる

以下、順に特徴を解説します。


1-1. 不動産の流動性は株式などより低く、急激な価格変動が起こりづらい

不動産は株式や債券と比べ金額が大きく、流動性が低い商品です。
つまり不動産自体の価格は、景気変動などによる値動きの影響を受けづらいといえるでしょう。もちろん不動産の売買動向や鑑定評価額によって価格が変わり、賃料収入との比較で投資家が得られる利回りは変動しますが、個別株の株価などと比較すると値動きが安定しているといえるでしょう。

なお、後述するJ-REITなど、上場証券取引所で売買される金融商品の場合は、株式市場の値動きと連動しやすくボラティリティが高くなる傾向がありますのでご注意ください。



1-2. テナントの賃料により安定的な収入が期待できる

不動産に投資する大きなメリットの1つが、投資対象の不動産から定期的な賃料収入が得られる点です。

オルタナティブ投資のなかには、金投資など運用中の収益が発生せず売却益のみ期待される投資商品もあり、場合によっては売却損となることもあります。

収入を得るタイミングは、具体的な不動産投資商品によって異なりますが、不動産が高く売れた場合の売却益だけではなく、保有している間に賃料や配当が得られる点は、投資家にとって安心につながるでしょう。

なお、賃料収入や不動産売却益はテナントや物件管理など運用により変化するもので、保証されているものではありません。



1-3. 商品によっては運用や管理などを専門家に委託できる

不動産投資において不安を感じやすいのが、不動産自体の運用・管理についてではないでしょうか?

日々の管理やテナント交渉、価値を下げないための追加投資など、運用を適切に行えなければ、期待していた賃料収入が受け取れない可能性もあります。

その点、現物不動産投資以外の不動産投資については、不動産に関わる運用・管理を専門家(アセット・マネージャー)が代行することで、安定的な資産運用につなげる仕組みとなっています。




2.オルタナティブ投資の中の不動産投資4種

伝統的な投資(株式や債券など)以外の投資手法や商品をまとめた総称である「オルタナティブ投資」ですが、その種類は多岐に渡ります。

数多く存在するオルタナティブ投資のなかでも、比較的安定しながらも、定期的に収益を得られる可能性が高いのが「不動産投資」です。

オルタナティブ投資でいう不動産投資には、主に以下の4種類があります。

それぞれの特徴を比較すると、下記のように異なります(※1)。

不動産投資商品の比較一覧

※1 上記は各商品の一般的傾向を示したものであり、これらに該当しない場合も存在します。
※2 一部、投資対象不動産が数十以上となる不動産ST銘柄もあります。




※本記事では、特段の断りがない限り「不動産ST」を「不動産等を裏付け資産とする受益証券発行信託の受益証券」として解説します。
※本記事では、特段の断りがない限り「不動産クラウドファンディング」を「匿名組合型スキームで実施される不動産担保のローンファンド」として解説します。



一言に「オルタナティブ投資の不動産」といっても、このように特徴はさまざまです。
だからこそ、ご自身に最適な不動産投資を選ぶことが重要になってきます。

不動産投資の投資先選びで後悔しないためにも、それぞれの不動産投資の具体的な手法について学んでいきましょう。




3.不動産投資1|不動産セキュリティ・トークン(不動産ST)

不動産STとは、セキュリティ・トークン(デジタル証券)で実際の不動産に少額から投資できる、2021年に新たに登場した投資です。なお、以下では原則として、不動産STが不動産等を裏付け資産とする受益証券発行信託の受益証券であることを前提として説明します。

不動産STはブロックチェーン技術を採用しており、今後より自由で幅広い取引が可能になることが期待されています。

主な特徴は以下のとおりです。

不動産セキュリティ・トークン(不動産ST)

  • 投資家による投資対象不動産選択:可能
  • 投資対象:1~数件の不動産
  • 運用期間:中~長期
  • 不動産運用主体:専門家
  • 流動性 限定的:(店頭取引が主流、私設取引システムでの売買が可能な銘柄もあり)

※一部、投資対象不動産が数十以上となる不動産ST銘柄もあります。
※上記は商品の一般的傾向を示したものであり、これらに該当しない場合も存在します。



セキュリティ・トークンとしてデジタル証券化されたことで、今まで一般投資家にとって投資ハードルが高かった大型不動産への小口投資も、実現可能です。

2021年に登場した不動産STは、比較的新しい投資手法なため、比較できる情報が少なく「気になっているけれどよく分からない」と感じてしまうケースも少なくありません。

そこで、ここでは不動産STの代表的な特徴3つと、メリット・注意点についてご紹介します。



3-1. 不動産STの代表的な特徴

不動産STの代表的な特徴として挙げられるのは、主に以下の3つです。

  • 1〜数件の個別不動産に投資する案件が一般的である
  • 最低投資金額は1口あたり10万円~100万円が一般的
  • 運用期間は一般的に4〜7年と比較的中~長期間になる

不動産STの投資対象は、1件〜数件の個別不動産となることがほとんどです(一部例外もあります)。

投資対象は、不動産鑑定士など専門家によって精査された個別の不動産から選べます。

また、最低投資金額は1口10万円~100万円になるのが一般的で、従来の現物不動産投資のように数千万円以上の資金を用意する必要はありません。

運用期間という観点でいえば、不動産STは4~7年と中~長期的になることが一般的です。

不動産STについて詳しくは、下記の記事もご参考ください。

不動産STは暗号資産(仮想通貨)・J-REITと何が違う?注意点・選び方も一挙解説



3-2. メリット

不動産STを1つの投資手法として選ぶメリットは、以下の4つです。

不動産STのメリット4つ

  • メリット1|機関投資家が投資対象としてきた大型不動産などにも、一般投資家が小口投資できる
  • メリット2|株式市場の値動きの影響を相対的に受けにくく、価格変動リスクが比較的小さい
  • メリット3|申告分離課税を選択できる
  • メリット4|自分で投資対象不動産を選択するため、理解しやすく、所有感を感じやすい


不動産STの投資対象には、以下のようにさまざまな不動産が含まれています。

  • 住宅
  • 商業施設
  • 物流施設
  • ホテル・旅館
  • オフィスビル など

従来は機関投資家を対象としてきた大型・高級住宅不動産やホテル・旅館などへの小口投資が可能になったという点は、不動産STの大きなメリットの1つといえます。

また、不動産STは上場証券取引所に上場しておらず、取引価格は投資不動産の不動産鑑定評価額をベースに決められています。

株式やJ-REITとは違い、株式市場相場によって大きく値動きしないので、取引価格が比較的安定しているといえます。

さらに、現物不動産投資と同じように、投資対象不動産の特徴をしっかりと理解したうえで選ぶので、親近感や手触り感といった所有感を感じやすい点も特徴です。

不動産STのメリットについてより詳しく知りたい場合は、下記の記事をご覧ください。

不動産STのメリット4つを徹底解説|投資先の選択肢になりうる理由



3-3. 注意点

不動産STの注意点は、主に以下の4つです。

不動産STの注意点4つ

  • 商品ラインナップがまだ限られている
  • セカンダリー市場がまだ発展途中のため、自由に売却できない
  • ミドルリスク・ミドルリターンの金融商品である
  • 災害リスクがある

不動産STは2021年に登場した比較的新しい投資手法です。

そのため、個人投資家が投資できる商品ラインナップ(不動産)が40件台と少ないことが注意点として挙げられます(2025年4月現在)。

また、セカンダリー市場(流通市場)も発展途中のため、取引市場が確立されたJ-REITやREIT EFTと比較すると、売却(譲渡)機会が少ないのが現状です。

もちろん運用期間中でも買い手(一般投資家または証券会社)との間で価格に合意できれば譲渡可能な商品も一部ありますが(※)、不動産STの認知度がまだあまり高くないため、譲渡に応じる一般投資家の数が限定されているのが実情です。そのため、期中換金というよりも、配当金や運用期間終了後の売却益を期待する商品といえます。

※譲渡可能な期間や方法には制限があります。個別不動産STの具体的な譲渡条件は、それぞれ目論見書等でご確認をお願いいたします。

ただし、不動産STの市場は現在も拡大を続けているので、ラインナップや・流動性は改善されていくことが期待されています。

そして、不動産STは、株式や債券と比べると、ミドルリスク・ミドルリターンの金融商品であるといえます。

その他、不動産STの注意点についてより詳しく知りたい場合は、下記の記事をご覧ください。

不動産STは暗号資産(仮想通貨)・J-REITと何が違う?注意点・選び方も一挙解説




4.不動産投資2|不動産クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングとは、クラウドファンディングを介して特定の不動産に複数人で小口投資ができる方法等です。

不動産クラウドファンディングの主な特徴は、以下のとおりです。

不動産クラウドファンディング

  • 投資家による投資対象不動産選択:可能
  • 投資対象:1〜数件の不動産
  • 運用期間:短~中期
  • 不動産運用主体:専門家
  • 流動性:原則不可

※上記は商品の一般的傾向を示したものであり、これらに該当しない場合も存在します。

不動産クラウドファンディングは、不動産STと並んで「現物不動産投資以外で特定の個別不動産に小口投資できる商品」として知られています。

投資対象となる不動産の種類は不動産STよりも幅広く、下記のようなプロジェクトに投資できるかもしれません。

  • 集合住宅(区分マンションや一棟マンション)
  • ホテル・旅館
  • 保育園
  • 学校
  • 商業施設
  • 古民家再生 など

なかには、投資としてだけではなく、社会貢献につながるプロジェクトもあります。

投資商品としてはもちろんのこと、「誰かのために貢献したい」という思いを持っている投資家の意向と合致している可能性があるのが、不動産クラウドファンディングです。

ここでは、不動産クラウドファンディングの代表的な特徴3つと、メリット・注意点について見ていきましょう。



4-1. 不動産クラウドファンディングの代表的な特徴

不動産クラウドファンディングの代表的な特徴は、以下の3つです。

  • 不動産クラウドファンディングの専用プラットフォームを利用する
  • 1口1万円の小口投資も多い
  • さまざまな種類のプロジェクトがある

不動産クラウドファンディングは、名称のとおりクラウドファンディングサービスを介して不動産に投資できる方法です。

投資金額が1口1万円からのプロジェクトも多いため、より気軽に不動産投資にチャレンジできるでしょう。

プロジェクトのなかには、以下のように特徴が異なるものもあります。

  • 運用期間中の配当(分配金)はないが、売却利回りが高いタイプ
  • 運用期間中の配当利回りは高いが、売却益が発生しないタイプ
  • 短期間での運用タイプ
  • 長期間での運用タイプ
  • 投資できるかどうか抽選で決めるタイプ など

プロジェクトの種類が豊富で個性的なものもあるため、投資家それぞれのニーズにあった投資対象の不動産を選ばなければいけません。

不動産クラウドファンディングについて詳しく知りたい方は、下記の記事で不動産STと特徴を比較しているのでご覧ください。

不動産ST|不動産クラウドファンディングとの共通点・相違点とは?



4-2. メリット

不動産クラウドファンディングのメリットは、以下の3つです。

不動産クラウドファンディングのメリット3つ

  • インターネット上で取引が完結する
  • 1万円という少額でも不動産投資に挑戦できる
  • 投資商品次第で高い利回りが期待できる可能性がある

不動産クラウドファンディングは、インターネット上のプラットフォームを介して投資するため、複雑な手続きなども発生しません。

投資単価も1口1万円からに設定されている場合が多く、少額で投資をスタートできます。

「多額の資金はないけれど、不動産投資をしてみたい」という方には、少額で不動産投資に挑戦できる点がメリットでしょう。

もちろん、投資商品次第では高い利回りが期待できる可能性があるため、どの投資先を選ぶのかが重要になってきます。



4-3. 注意点

不動産クラウドファンディングの注意点は、主に以下の3つです。

不動産クラウドファンディングの注意点3つ

  • 運用期間が短期になる場合が多い
  • 運用途中で換金できない場合が多い
  • 投資商品の募集に応募が殺到して、申し込めない場合もある

不動産クラウドファンディングは、1〜2年程度と短期運用になる場合がほとんどです。

不動産クラウドファンディングは、原則として投資家同士の売買はできません。そのため、基本的には決められた運用期間が終わるまでは売却益は発生しない可能性が高いと覚えておきましょう。

また、投資できる募集口数が制限されている場合や、抽選になっている場合もあるため、応募が殺到してしまい申し込めない場合もあります。

気軽にできる短期運用の不動産投資だからこそ、投資タイミングと投資商品をしっかりと見極めて投資先を選ばなければいけません。




5.不動産投資3|REIT(不動産投資信託)

REITとは、多数の投資家から集めた投資資金を使って、複数の不動産を運用・管理することで収益を得られる「不動産投資信託」のことを指します。

REITの特徴は、以下のとおりです。

REIT(不動産投資信託)

  • 投資家による投資対象不動産選択:不可(投資口購入時を除く)
  • 投資対象:ポートフォリオ
  • 不動産運用主体:専門家
  • 流動性:高い(原則金融商品取引所での売買)

※上記は商品の一般的傾向を示したものであり、これらに該当しない場合も存在します。

特定の個別不動産に対して小口投資できるのが、不動産STと不動産クラウドファンディングでした。

対して、REITの場合は「さまざまな不動産に投資している会社が発行する証券に投資する」というイメージです。

REITは、投資対象となる不動産の国別で、下記のように分類分けされ名称・銘柄が変わります。

S&P_グローバルREIT指数の国別内訳
参考:S&P Dow Jones Indices|S&PグローバルREIT指数 国別内訳(2025年3月末時点)をもとにKDX ST パートナーズ株式会社作成

※上記の国別内訳はS&PグローバルREIT指数によるものです。国・地域によっては全上場銘柄を集計した数値と異なる場合があります。
※四捨五入の関係で比率の合計が100%にならない場合があります。



このように、一言でREITと言ってもその銘柄はさまざまです。

日本国内の不動産に投資したい場合はJ-REITの銘柄を選び、海外の不動産に投資したい場合はそれぞれの国別のREITを選びましょう。

そのために、まずはREITの代表的な特徴と、メリット・注意点について理解しておきましょう。



5-1. REITの代表的な特徴

REITの代表的な特徴は、主に以下の3つです。

  • 投資対象は個別の不動産ではなく、複数の不動産をまとめたポートフォリオである
  • 不動産の所有感よりも、投資商品としての所有感が強い
  • 株式や債券に近い運用である

不動産投資のなかでのREITの大きな特徴は、投資対象が現物不動産ではなく、複数の不動産をまとめたポートフォリオであるという点です。

具体的にいうと、複数の不動産に対して投資をしている投資法人が組み込んだポートフォリオに投資をする仕組みになっています。

そのため、個別の不動産を投資家自身が選ぶことはできません。

その結果「自分が選んだこだわりの不動産を自分で持っている」という所有感よりも、株式や債券に近い投資商品としての所有感が強くなってしまうでしょう。

運用方法は株式などに近いものがあり、上場証券取引所にて日々の値動きを確認しながら、最適なタイミングで投資家自身が売却することになります。

REITの特徴については、下記の記事でも不動産STと比較して解説しているのでご覧ください。

不動産ST|J-REIT(リート)との共通点・相違点とは?



5-2. メリット

オルタナティブ投資である不動産投資のなかでも、REITを投資手法として選ぶメリットは、主に以下の3つです。

REIT(不動産投資信託)のメリット3つ

  • 一回の投資で複数の不動産に投資できるので、リスク分散になる
  • 取り扱い銘柄が多く、国内だけではなく海外の不動産にも投資できる銘柄がある
  • 証券市場で取り扱っているため、投資家が自由に売買できる

不動産投資のなかでも、複数の不動産にまとめて投資をすることでリスク分散できるのが、REITの大きなメリットです。

ポートフォリオとして複数の不動産が組み合わされているので、たとえ1つの不動産が自然災害などで損失を出したとしても、他の不動産投資は影響を受けにくいのでリスク分散になるのです。

REITは個人投資家が投資できる銘柄も多く、国内不動産はもちろんのこと海外の不動産投資もできる銘柄を選ぶこともできます。

また、上場証券取引所に上場しているため、投資家が自由に売買することも可能です。

分散投資と長期保有で安定した収益を狙うだけではなく、自由に売買するチャンスを活用できるのが、REITのメリットといえます。



5-3. 注意点

REITに投資する主な注意点として挙げられるのは、以下のとおりです。

REIT(不動産投資信託)の注意点2つ

  • 特定の個別不動産に投資するよりも価格変動リスクが大きい
  • 金利上昇により借入コストが増大し、財務リスクが高まるおそれがある

証券会社を通して投資家が自由に売買できるREITは、個別不動産に投資する不動産STや現物不動産投資などと比べると、株式市場の値動きによる価格変動リスクが大きいのが注意点です。

また、負債比率が高めのREITの場合、金利上昇によって借入コストが増大し、財務リスクが高まるおそれがあります。そのため、収益増加などにより借入コストを吸収できなければ、短期的には投資価格が下落する圧力が働くことにも要注意です。




6.不動産投資4|現物不動産投資

現物不動産への投資も、オルタナティブ投資の1つだということをご存知でしょうか?
オルタナティブ投資の選択肢の1つとしての、現物不動産への投資の特徴は以下のとおりです。

現物不動産投資

  • 投資家による投資対象不動産選択:可能
  • 投資対象:個別不動産
  • 不動産運用主体:投資家
  • 流動性:売却に時間がかかることが一般的

※上記は商品の一般的傾向を示したものであり、これらに該当しない場合も存在します。

現物不動産の投資は、主に以下の3種類に分けられます。

  • 集合住宅(区分マンション・アパートなど)・戸建てなど
  • 商用不動産としての運用(オフィスやショップなど)
  • 駐車場としての運用

どの不動産に投資する場合でも、投資家自身が対象となる不動産を購入する必要がある点が、他の不動産投資と異なる点です。

すでにご存知の方も多いかと思いますが、改めて現物不動産投資の特徴とメリット・注意点についてみていきましょう。



6-1. 現物不動産投資の代表的な特徴

オルタナティブ投資でいう現物不動産投資の代表的な特徴は、以下の3つです。

  • 投資家自身の資金で現物不動産を購入する必要がある
  • 収益は毎月の賃料収入から発生する
  • 不動産自体の運用や管理は投資家自身が行うか、もしくは管理会社を探す必要がある

不動産を購入する場合、投資家自身が高額の資金を用意しなければいけません。不動産価格次第では、数千万円単位の資金が必要になります。

また、投資家は毎月の賃料収入を直接得ることが収益となるのです。
他の不動産投資商品が、年数回の配当(分配金)と売却益だったのに対し、収益回数が毎月に増えるのが大きな違いです。

ただし、不動産自体の運用・管理を投資家自身で行うか、または不動産管理会社を利用して行う必要があります。

不動産運用主体で失敗してしまうと、本来得られるはずの収益も期待できなくなってしまうと覚えておきましょう。



6-2. メリット

現物不動産に投資するメリットは、主に以下の2つです。

現物不動産投資のメリット2つ

  • 毎月の賃料収入が収益となるので、リターンが安定している
  • 不動産投資ローンを利用すると、自己資金を抑えられる

オルタナティブ投資における現物不動産投資で期待できるリターンは、毎月の賃料収入による収益です。

他の不動産投資商品の場合は「配当」という扱いですが、現物不動産の場合は賃料収入を毎月ダイレクトに受け取れるので、収益は必然と高くなりやすいとも言えます。

現物不動産への投資は、多額の自己資金が必要になりますが、不動産投資ローンを活用することで、自己資金を抑えられる点もメリットです。

もちろん、ローン返済や毎月の管理費用なども発生しますが、適切に不動産を運用・管理できればしっかりと収益を生み出せる可能性があります。



6-3. 注意点

現物不動産に投資する注意点についても、考えてみましょう。

現物不動産投資の注意点3つ

  • 空室が続いてしまうと賃料収入が減ってしまう
  • 投資家自身で不動産の運用や管理をするのが大変
  • 売却に時間がかかることが一般的

現物不動産の収益を左右するのが賃料収入ですが、空室が続いてしまうと賃料収入を得られません。

少しでも確実に収益を伸ばすためには、不動産を適切に運用・管理をしていく必要があります。

運用・管理で失敗しないためにも、経験豊富な管理会社を探す必要が出てくるでしょう。

また、一般に、現物不動産は売却に時間がかかることに注意が必要です。




7.オルタナティブ投資で不動産投資を選ぶポイント4選

リスク分散のため、オルタナティブ投資としての不動産投資を選ぶ場合、下記のポイントを基準に考えてみましょう。

オルタナティブ投資で不動産投資を選ぶポイント4選

  • 利回り
  • 流動性
  • 不動産の特徴
  • 運用会社の不動産運用実績(現物不動産投資以外)



7-1. 利回り

すべての投資において利回りは重要な判断基準になりますが、不動産投資においては利回りが何を基準としたものか注意が必要です。

例えば、分子となる賃料収入は現時点のものか・将来想定されるものか、分母となる不動産価格は売買価格なのか・鑑定評価額なのかなど、ひと言で利回りといっても中身が違う場合があります。

加えて、不動産が所在するエリアや物件の種類によっても利回りが異なりますので、不動産投資マーケットを理解したうえで投資先を決めることが望ましいでしょう。



7-2. 流動性

不動産投資の投資商品を選ぶ際は、当該商品の「流動性」も重要になってきます。

流動性が高い投資商品ほど売買機会が多いので、投資家自身が「今が売り時だ」と判断した場合に、すぐに不動産投資商品を売却できるでしょう。

この記事で紹介してきた、4つの不動産の投資商品で比較すると下記のようなイメージです。
流動性_投資商品の種類
※上記は各商品の一般的傾向を示したものであり、これらに該当しない場合も存在します。


不動産STは、新しく登場した投資商品ということもあり、2025年4月現在では流通市場が発展途上です。
証券会社を介した店頭取引など、流動性はどちらかというと低いといえるでしょう。

また、不動産クラウドファンディングに関しては、原則として投資家同士の売買はできません。

J-REITは金融商品取引所を通して売買されており、株式や債券と同じように値動きをチェックしながら、投資家が決めたタイミングで売買できます。

現物不動産は比較的大きな金額で売買されるため、買い手を見つけたり、買い手による事前調査やローン審査など売却手続きが完了するまでに、それなりの時間がかかることが一般的です。



7-3. 不動産の特徴

不動産投資で成功するためには、不動産自体の目利きが必要となるでしょう。
たとえば以下のような要素が判断基準の目安となります。

  • 建物の種類(住居・商業施設・宿泊施設・物流施設・その他)
  • 不動産が所在するエリア
  • 建物の築年数
  • 不動産の稼働率
  • テナントの業種や契約内容 など

「投資先」として考えると、利回りばかりに注目してしまうこともあると思います。

しかし、不動産投資の場合は「投資商品である不動産自体」の資産価値によって、将来的な利回りも変動することを理解しておくことが必要です。



7-4. 運用会社の不動産運用実績(現物不動産への投資時を除く)

これまでご説明してきたとおり、不動産投資には専門性が必要な側面もあります。そこで、運用会社(アセット・マネージャー)の実績にも着目しましょう。

なぜなら、運用実績がしっかりある運用会社であれば、投資した不動産の資産価値を維持・向上させるノウハウを持っている、といえるからです。

現物不動産以外の不動産投資においては、投資家に代わり運用会社(アセット・マネージャー)が不動産の運用・管理を行うことが一般的で、その手腕で不動産の価値を上げることもあれば、下げてしまう可能性もあるのです。

信頼して運用を任せられる運用会社を選ぶために、不動産運用実績を確認することを忘れないようにしましょう。




8.まとめ

この記事では、オルタナティブ投資の1つである不動産投資について、4つの分類で解説しました。

4つの不動産投資

  • 不動産セキュリティ・トークン(不動産ST):セキュリティ・トークン(デジタル証券)で不動産に投資する商品
  • 不動産クラウドファンディング:クラウドファンディングを通して不動産に投資する商品
  • REIT(不動産投資信託):複数の不動産を組み合わせたポートフォリオに投資する商品
  • 現物不動産投資:不動産を投資家の資金で購入して、運用・管理を自ら行い利益を生み出す投資商品

株式投資などのようにボラティリティが大きい商品への投資だけでは、常に価格変動・下落リスクに不安を感じ続けることになるかもしれません。

投資リスクを分散するためにも、オルタナティブ投資への分散投資が必要かもしれません。

安心して分散投資したいけれど、定期的なインカムゲインも欲しい場合は、賃料収入による分配金が期待できる不動産投資が向いている可能性が高いでしょう。

分散投資の1つの選択肢として、オルタナティブ投資の不動産への投資を検討してみてはいかがでしょうか。




本記事は、KDX ST パートナーズ株式会社(以下、「当社」といいます)および当社グループによる、不動産STなどに関する情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘または斡旋を目的としたものではありません。
本記事に記載された内容については細心の注意を払っておりますが、掲載された情報の内容の正確性、有用性、完全性、また適切性等について、当社および当社グループは一切保証するものではありません。また本記事において使用するデータおよび表現等の欠落・誤謬等について、当社および当社グループは一切責任を負いかねますので、ご了承ください。
また、本記事に記載された内容は、本記事の作成時点のものであり、事前の通知なくして変更されることがあります。
本記事の中の記述は、作成時点で入手が可能な情報を基に想定される合理的な判断に基づくものと考えておりますが、さまざまなリスクや不確定な要素が含まれている点にご留意ください。

本記事の著作権その他の権利は、特段の断りがない限り、当社に帰属しています。

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